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観ること

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観について
自然観や世界観という言葉がある。
人が生きていくうえで身につけていったものもあるし、
日本人だからという根源的なものもある。

どちらかと言えば、その人が身につけてきた観については
好みがはっきりしていて、好みがはっきりしている分
そこを読み取って設計することが大事なのかもしれないが
意匠的な部分に直結してなかなか難しい。

それよりかは、もっと原初的な部分での観がある方が
設計としてはより豊かな気がしている。

例えば空間にある気配なんてものは個人というよりかは
自分達の感覚であって、そういった個性に左右されない
部分での組み立て方ができればよい。
と言いつつも、最近した事務所は意匠的な感覚が強いように見える
かもしれないが意外と住宅とやってることは変わらなくて、
できあがったものの表面的に見えてる部分のバランスで
違ったものに見えるだけな気がする。

でもまあ、カラーボックスを使うことと開口部に米松下地と
中空ポリカの組み合わせをすることや、壁の小幅板と床の
杉足場板、モルタルとの関係性や、塗り壁と光のあり方や、
あえて大きな引き違い窓をふたつ閉じてまでつくった溜りや、
その小さくなった窓から流れる空気や、壁を建てて空間に
裏側ができることとかすべてに意味があって、これは
物理的におさえられることではなくどういった気配が
空間にでて欲しいかという点に尽きる。

そういえば映画は観るというけれど、
そこにあるのは感性のつながりであって
いい映画に宿っている気配の自然観や世界観のような
そういう設計ができればいいのだけどと思う。
ただこの気配、つくっている最中もできてからも
目立って見えるものではない。ただ、観えてくる
ものがあることはつくる上で大事だと思って
ひそかに楽しんでやってるものでもある。





by morimoto_a | 2017-08-28 22:46 | いろいろ | Trackback | Comments(0)

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