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2017年 01月 25日
竹林寺納骨堂
堀部安嗣さん設計の竹林寺納骨堂へ。
お寺もとても静かな空気で満たされている。
高低差のあるアプローチを通って建物へ。
低くおさえられた建物。
アスプルンドの森の火葬場の空気感と同じ。
朝の光が心地よい。
建物内へと誘うディテール。
ちょっとしたことを図面でみきれるのはさすが。
ここのポーチ部分の大きさとか絶妙。
素材感もここではチェーン引き。
中との境目。床の表情が切り替わる。
両サイドは土壁。納骨する場所はこの壁の中。
奥の光った壁がシークエンスをつくる。
少しスロープで下がりながら奥に向かう。
光を蓄えた奥の壁。間接光というとこがとても重要。
スロープでレベルが下がった分、この場所は段であがっている。
気持ちを切り替える部分。ささいなことだけど、できる人は少ない。
光の入ってくる場所。風も入ってくるのが重要。
チェーン引きのポーチで寺の中にまず溜りの居場所をつくり、
暗い廊下を通って静かになった気持ちを一度開放している。
死がとどまり動きのないものとしながら、ここで一度感覚を生に
戻している気がする。その上で次の空間へ。
ちなみに建物は角材でできている。アアルトの天井も美しいけど、
フェイクではないので積み重ねられた思いを感じる。
光の入ってくる場所の奥には水盤の空間。
さきほど開放された気持ちをまたここにて溜める。
おそらく暗い場所の連続だとここに立った時の
気持ちはでないだろうなあ。暗いとこだけだと、
沈んだ気持ちのままこの水盤で開放されるので
少し意味合いが重くなってしまう。
穏やかな水は気持ちを静かにしてくれる。
空間の境目。こうしてみると、光の入ってくる場所は暗い。
明暗は隣り合う関係性にて決まることがよくわかる。
床も表情が変わってるのがほんと効いているなあ。
ちょっとした納まり。
屋根の上に植物が自然と。
外構もシンプルに。
壁の塗りすごいな。
廊下を逆から。スロープなのが分かる。
暗さの感覚も。
細かいとこをいろいろ。
土壁の表情。
柱の足元とか。
浮いている。
梁も少し浮いている。
コンクリートの壁に勾配つけて浮くように見せている。
というよりも水との関係で素材は離した方がよいので。
軒先まわり。隙間のあり方。
こちらは屋根を軽く見せるため。
ほんと勉強になる。
建築に死生感があるのはこのプログラムだからではなく、
堀部さんの建物には住宅でも共通のもの。
詩的な空間になるのは、そうした考えをかたちにする
ことができるからと思う。
この空間の質を、建築の関係者より堀部さんの施主のような感性の
高い人が理解できるというのは、なんだかわかる気がするなあ。
建築してる人は図面を書くときに線が揃ってるとか、図として
きれいとか2次元で物事を考えている人が多い。
木が105角で柱と梁が整理されること、
木と他の部材との取り合いのあり方、
コンクリートも柱が面で勝つこと、
床の目地幅の違いによる空間の流れ、
天井と屋根の属性の分離のための隙間、
塗壁のやわらかさで消すコンクリートの冷たさ、
吸い込み包みつつ空間を切り分けるスロープと階段、
とまあ書き出すとキリがないのだけど、その操作によってどういう
気持ちになったりするかということがきちんと考えられている。
建築は学問であるが故に論理化できない感性は話しにくいけど。
こうした素晴らしい建物をつくれる感性に触れると好きなものを
きちんと理解できる能力があるかということが大事に思える。
アアルトやアスプルンドのやわらかさが建物から感じられ、そこに
ズントーのバランスのとりかたやバラガンのような孤独を感じるのは、
いろんな要素が凝縮されてて見ててほんとうに楽しい。
なんだかいいものばかりはいっているという感じがする。
自分は何を見てきて出すことができるのだろうと、思う。
そんな気持ちを一曲、この歌にのせて。
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by
morimoto_a
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2017-01-25 20:32
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建築家
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